〈鎌ぷら〉好奇心をカタチにする9日間 あなたもなれる!プランナー講座~シリーズ②

実施日
2024年10月26日(土)

「地域を知り社会とつながる」体験&実践講座 “鎌ぷら” 。
第2回目講座となる10/26(土)は、「鎌倉時間をひも解く」をテーマに実施しました。
ファシリテーターはこまつあかりさん、そして特別講師に内堀敬介さんを迎え、鎌倉独特の「時」の流れに迫りました。

内堀さんは、「鎌倉市農協連即売所」(通称:レンバイ)のすぐそばにある朝食専門の食堂「朝食屋COBAKABA」の店主。
2006年、ご両親が営んでいた「小林カバン店」の閉店を機に「食堂コバカバ」を開店し、日替わり定食を提供していました。そんな日々の中、太陽の動きや月の満ち欠け、季節や一日の時の動きなど、自然のリズムを深く感じるようになり、その波にのれるよう、太陽が元気な時間帯に営業したいと2017年に「朝食屋COBAKABA」としてリニューアルされました。
季節の鎌倉野菜がたっぷり入ったお味噌汁や鯖の文化干し定食など、素材にこだわったメニューの数々が大人気のお店。店内には時計が置いてありません。
一体それはなぜなのか、内堀さんが捉える「時間」について詳しくお話いただきました。

◆時間とは?

「今日にどんな意味があるか」と聞かれたらみなさんは何と答えますか?誰かの誕生日?大事な仕事の締切日?それぞれが持つ相対的な価値だけではなく、実はきちんとした意味があるんです。地球と月と太陽の動きに落とし込んだ場合、地球の自転(=1日)と公転(=1年)、月の公転(=1か月)で説明ができます。
外側から見ると天体の動きが分かります。地球は常に動いていて、1秒間に30キロの速さで公転しているので8時間寝ると40万キロの旅をしたことに。

普通に生活していると気づかない視点からの講義に受講者の皆さんからも「なるほど!」という声が。
その瞬間日本が太陽側を向いていたら昼、反対だと夜。位置=いつを示しており、ここから時間と空間はリンクしていること、地球上にいる人が同じ条件下にいることが分かります。

◆内側から見ると季節の移ろいを感じる

日照時間のリズムの中で自然の移り変わりが起こると、私たちも季節の移ろいの中で生きていることを体感できます。「雪が溶け始め春分を迎えたころに新芽の若葉がでてくる。光の量が増え水分量が減ると紅葉し始め落ち葉に変わる。葉っぱが落ちると土の中が豊かに肥えていき、次の春の準備をする」

単調な世界ではなく刻々と変化する環境の中にいるのであれば、それを理解したうえで生活した方が充実した時間が過ごせるのでは?という内堀さんの解説は、自分の生活を振り返るきっかけとなりました。

◆時空間地図「地球暦」をみんなで使ってみよう!

今日がどの移ろいの中にいるか確認するには「地球暦」が役立ちます。「地球暦ワークシート」を用意し、夏至と冬至の位置を決めワークショップスタートです。位置関係を確認する作業的なワークですが、日常から離れて黙々と行っていると、タイムスリップしたような感覚に、、

太陽暦自体には特定の思想は無く、位置関係があるだけです。これに東洋の思想や産業革命後の効率的な生産性を反映させることで、暦や労働周期が付随し、私たちの今の生活が習慣化され定義されてきたことが実感できました。

◆日読み(かよみ)から暦(こよみ)へ

農業の基本は、次の季節を予想して種をまき、季節に合わせて育て、タイミングをみて収穫すること。
日を読んで行動することから「暦」という言葉が生まれたという説があります。昔の人々は季節の巡りの中から自然の恵を受け取る関係性を築いてきました。

古代の人から受け継がれた暦の見方は多種多様で、どんな読み方をするか、そこから何を読み取るかはみなさん次第。日照時間が短いところの生活を想像してみたり、陰陽五行の世界観なども少し取り入れてみると面白い読み方ができそうです。

朝食屋COBAKABAでは、鎌倉野菜暦やお味噌汁暦を地球暦に落とし込み、お客様へ伝えて味わってもらっているとのこと。場所が変わると時間感覚も違うこと、定点観察することでその土地に流れる時間が見えてくることが分かりました。

◆まとめ : 時間は「まる」と「しかく」?

時間には「はかる」時間と「感じる」時間の2種類があるようです。
タイパ(タイムパフォーマンス)に代表される社会と息を合わせるための四角い時間。もう一つは何もしなくても移ろう自然と息を合わせていく丸い時間。
どちらの時間が正解かではなく、両方を感じながら同時並行する二つの時間を乗りこなして自分の人生を生き抜いていくことが「調和」や「おおらかさ」の形成につながっていくのではないでしょうか。 それぞれの時間に置く軸足を調整し、行き来しながら五感を使ってみることが好奇心の種の発見につながるかもしれません。

「○○暦」と聞くと、占いの一種を想像してしまいがちですが、詳しくみてみると、自分や地域を観察するための一つのツールだということが分かりました。
受講生のアンケートからも、「日々なんとなく生きていると気づかない事に気付くことができた。」など、日常ではあまり考えることがない新たな視点に出会えたという感動の声が多く寄せられました。

次回も引き続き特別講師として内堀さんをお招きし、「好奇心の種を発見する~鎌倉まち散歩~」を行います。今回ひも解いた「鎌倉時間」と自分自身を、五感を使って観察するためのフィールドワーク!次回の講座もお楽しみに♬

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