万葉集と鎌倉@きらら大船

実施日
2023年9月27日(水)

9月27日(水)に、きらら大船学習センターの第2集会室にて鎌倉市生涯学習推進委員による講座「万葉集と鎌倉」が開催されました。
講師は作家で写真家の織田百合子さんです。
今回の講座は【万葉集と鎌倉 ~鎌倉で『西本願寺本万葉集』と『尾州家河内本源氏物語』ができるまで~】というご自身の資料をもとに、お話しくださいました。

印刷技術のなかった時代、古典は人の手による「書写」によって伝わり、それを「写本」というそうです。中でも『西本願寺本万葉集』と『尾州家河内本源氏物語』はあまり知られていませんが、それらの写本からは鎌倉の歴史がとてもよく浮かび上がってくるのだと織田先生はおっしゃいました。
『河内本源氏物語』は、この地「鎌倉」で源光行・親行親子によって制作されたそうです。また、源親行と歌人藤原定家が1歳違いで親しく、藤原定家の父である藤原俊成から『源氏物語』について共に学んだお話など、数々の写本を研究されてきた織田先生によって、歴史の中の人物がリアルに動き出したような、(歴史に疎い私でも)わくわくするその時代の人間模様やお話を次々と教えてくださいました。
『万葉集』についてのお話では、鎌倉にいた学者の「仙覚」が13歳から『万葉集』の研究をはじめたこと、仙覚の研究のおかげで『万葉集』の歌の約4500首全部が読み下せるようになったこと、『万葉集』の全巻が載っているのは仙覚が作った『西本願寺本万葉集』だけだということなどを教えてくださいました。

               

講義中は、先生が撮られた写真(ゆかりの地や写本)の映像を見ながら説明をしてくださり、参加者もうなずいたりメモを取られたりと熱心に聞かれていました。まだまだお話ししたいことがたくさんあるという先生のご様子でしたが、あっという間に2時間の講義は終了となりました。
本講座は鎌倉市生涯学習推進委員会の企画・運営で行われています。ほかにも魅力的な講座がたくさん開催されます。きらら鎌倉のホームページ(https://kirara-kamakura-city.jp/event/)でお申込み、ご参加をお待ちしています。

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