講座「日本列島ー文学文化風土の旅」@きらら深沢

実施日
2023年12月5日(火)

12月5日(火)にきらら深沢で鎌倉市生涯学習推進委員による講座「日本列島―文学文化風土の旅 鎌倉」が行われました。
講師は東洋大学教授の竹内清己さんです。竹内さんは日本近代文学を専門にされ作家堀辰雄を主軸に研究されているそうです。今回の講座は川端康成について、お話しくださいました。

皆さんご存じでしょうか。川端康成は、鎌倉市の名誉市民第1号であり、この鎌倉に大変縁の深い作家です。川端康成の作品には古都鎌倉が大きく影響していて、講師は今回特に恋や愛について描かれている作品に注目し、詳しくお話しされました。

 

講師のご用意された資料「川端康成・〈恋‐愛〉文学の古都鎌倉」では川端康成の作品や川端について他の作家が書かれた作品の、多くの‘鎌倉の情景’が紹介されており、それらの文章を丁寧に解説されました。川端の書いた作品には、主人公が恋心や苦しみ、悲しみを抱く場面が多くあり、講師からの解説を聞くと、鎌倉を舞台にせつなくも美しい情景が想像でき、作家の表現力の繊細さがより感じられました。

昭和43年(1968年)に川端康成がノーベル文学賞を受賞した際に、授賞式で話したスピーチについてもお話しされました。授賞式の間際まで書かれていたというスピーチの内容は、和歌なども用いながら日本の美について語られ、講師は鎌倉を軸にして話を書いたのではないか、平安朝末期から昭和の鎌倉の美しさを美しい日本の姿として書いているようだと話されました。

数々の作品を紹介しながら、説明が次々と語られ、1時間半があっという間に過ぎました。講師のお話はとても詳しく面白く、読んだことのない小説でもとても興味が湧きました。
「鎌倉は私にとって嬉しい土地、昔からの都がそのまま残っている。」と結ばれ、講座は終了しました。
以上、レポートでした。
本講座は鎌倉市生涯学習推進委員会の企画・運営で行われています。ほかにも魅力的な講座がたくさん開催されます。きらら鎌倉のホームページ(https://kirara-kamakura-city.jp/event/)でお申込み、ご参加をお待ちしています。

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